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技術コラム

切削加工における「溝加工」とは?

溝加工は、機械の部品製作に欠かせない加工です。加工効率と精度を高めるためには、適切な加工方法や切削工具の選定が重要となります。本コラムでは、切削加工における溝加工についてご紹介いたします。

溝加工は、機械の部品製作に欠かせない加工です。加工効率と精度を高めるためには、適切な加工方法や切削工具の選定が重要となります。本コラムでは、切削加工における溝加工についてご紹介いたします。

溝加工とは?

溝加工とは、材料の表面に特定の形状の溝を切り込むプロセスを指します。この加工は、部品の強度を向上させたり、軽量化したり、接合面を作成したりするために行われます。溝の形状は、V字型、U字型、直線的なものなど多岐にわたり、用途に応じて選択されます。

溝加工は、旋盤やフライス盤、NC(数値制御)機械などを用いて行われ、工具の種類や切削条件によって仕上がりが変わります。具体的な応用例としては、ギアの溝、シャフトのキー溝、溝付きのバルブやシールの溝などがあります。

溝加工の主な目的の一つは、部品同士を接合するための基準を作ることです。例えば、キー溝を切ることで、軸とギアなどの部品をしっかりと固定し、回転の伝達を効率的に行うことが可能になります。また、溝があることで、部品間の摩擦を減少させる効果も期待でき、耐久性の向上につながります。

さらに、溝加工は軽量化にも貢献します。必要な強度を保持しながら材料を削り取ることで、無駄な部分を取り除き、全体の重量を減らすことができます。これにより、特に航空機や自動車など、軽量化が求められる分野での需要が高まっています。

しかし、溝加工は技術的な難易度も伴います。加工の精度や表面品質は、工具の種類や切削条件(切削速度、送り速度、切削深さなど)によって大きく影響されるため、経験豊富なオペレーターによる適切な設定が重要です。また、材料の種類によっても加工のしやすさが異なり、鋼、アルミニウム、プラスチックなど、各材料に応じた加工技術が求められます。

溝加工の種類について

①直線溝加工

直線溝加工は、工作物に対して平行または垂直に溝を切削する方法です。この加工は一般的にキー溝や溝付きシャフトの製造に使用され、動力伝達部品や機械部品の固定に重要な役割を果たします。高精度な直線溝加工が求められる場合、専用の溝切り工具やNC(数値制御)機械が用いられます。

②スパイラル溝加工

スパイラル溝加工は、工作物に対して螺旋状の溝を切削する方法です。この加工は主に切削工具やドリルビットの製造に使用され、切削性能を向上させるために重要です。スパイラル溝は、切りくずの排出をスムーズにし、切削抵抗を減少させる役割を果たします。

③円筒溝加工

円筒溝加工は、円筒形の工作物に対して周囲に溝を切削する方法です。この加工は主にシール溝やベアリング溝の製造に使用されます。円筒溝は、工作物の表面に一定のパターンを持たせることで、密封性や回転滑らかさを向上させる役割を果たします。

➃T字溝加工

T字溝加工は、工作物に対してT字型の溝を切削する方法です。この加工は主に工作機械のテーブルや治具の固定に使用されます。T字溝は、ボルトやナットを使用して部品をしっかりと固定するために必要です。高精度なT字溝加工には、専用のT字溝カッターやミーリングマシンが用いられます。

⑤円形溝加工

円形溝加工は、円形または半円形の溝を切削する方法です。この加工は主にパイプや円筒形部品の連結部分に使用されます。円形溝は、接合部の強度を高めるために重要です。旋盤や専用の円形溝カッターを使用して加工されます。

⑥特殊形状溝加工

特殊形状溝加工は、上記以外の独自の形状を持つ溝を切削する方法です。これらの溝は、特定の用途や設計要件に応じてカスタマイズされます。例えば、冷却溝やオイル溝など、特定の機能を持たせるために設計されることがあります。

総じて、溝加工は多様な形状と用途に対応するため、各種の工具と機械が必要です。正確な溝加工を行うことで、部品の機能性と耐久性を向上させることができます。