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技術コラム

アルミ切削加工の基礎|材質や加工時の注意点までご紹介

アルミは、軽くて加工しやすいことから、様々な製品に用いられる金属です。本コラムでは、アルミ切削加工について、材質の特徴や種類、アルミを選ぶ理由、用途、加工時の注意点などを詳しく解説していきます。

アルミは、軽くて加工しやすいことから、様々な製品に用いられる金属です。本コラムでは、アルミ切削加工について、材質の特徴や種類、アルミを選ぶ理由、用途、加工時の注意点などを詳しく解説していきます。

アルミとは?材質の特徴と種類

アルミニウムは、地球の地殻に豊富に存在する元素で、軽くて柔らかく、耐食性に優れた金属です。純アルミニウムは強度が低いため、実用されるのはほとんどが合金です。アルミ合金の特徴としては、まず鉄の約1/3の重さという軽さが挙げられます。これは持ち運びや加工を容易にするという点で大きなメリットです。また、表面に酸化皮膜を形成することで腐食から内部を守る、耐食性にも優れています。さらに、柔軟で塑性変形しやすいという性質から、切削、押出、鍛造などの加工が容易です。熱伝導性が高く放熱性に優れている点、電気をよく通す性質がある点も特徴です。そして、再生利用が容易で環境負荷が低いことも、アルミ合金の大きな利点です。

アルミ合金は、添加される元素によって様々な種類に分けられます。主な種類として、純アルミニウムに近い合金で耐食性、加工性に優れた1000系、銅を主成分とした合金で高強度だが耐食性は低い2000系、マンガンを主成分とした合金で強度と耐食性のバランスが良い3000系、マグネシウムを主成分とした合金で強度、耐食性、溶接性に優れた5000系、マグネシウムとケイ素を主成分とした合金で押出性に優れた6000系、亜鉛を主成分とした合金でアルミニウム合金の中で最も強度が高い7000系などがあります。

アルミを選ぶ理由

アルミが様々な製品に用いられる理由としては、軽量化、耐食性、加工性、デザイン性、リサイクル性の5点が挙げられます。軽量化については、輸送機器や航空機など、軽量化が求められる製品に最適です。耐食性については、屋外で使用する製品や、水に濡れる可能性のある製品に適しています。加工性については、複雑な形状の製品や、精密な加工が求められる製品に適しています。デザイン性については、表面処理によって様々な色や質感を出せるため、デザインの自由度が高い点が魅力です。リサイクル性については、環境への負荷が低く、持続可能な社会に貢献できるという点で高く評価されています。

用途について

アルミは、その特性を生かして、様々な分野で利用されています。例えば、輸送機器では自動車、鉄道車両、航空機、船舶などのボディや部品に、建築材料ではサッシ、窓枠、外壁材、屋根材などに、包装材では缶、アルミ箔、ペットボトルなどに、電気・電子機器では電線、ヒートシンク、筐体などに、日用品では鍋、フライパン、自転車、釣り竿など、実に多くの製品に利用されています。

アルミの切削加工における注意点

アルミは加工しやすい金属ですが、切削加工においては以下の点に注意する必要があります。まず、切削工具の選定では、ダイヤモンドや超硬合金など、硬くて耐摩耗性に優れた工具を使用する必要があります。切削速度は、高速切削を行うことで、切削熱によるワークの変形や工具の摩耗を抑えることができます。切削油は、使用することで切削熱の発生を抑え、工具の寿命を延ばす効果があります。切りくず処理は、アルミは切りくずが絡まりやすいため、適切な処理を行うことが重要です。バリ取りは、加工後にバリが残らないよう、丁寧にバリ取りを行う必要があります。

その他にも、アルミ合金の種類によって、切削条件や工具の選定が異なるため注意が必要です。加工前に材料の特性をよく理解しておくことが重要です。必要に応じて、専門業者に加工を依頼することも検討しましょう。

アルミの切削加工はお気軽にお問い合わせください!

アルミは、軽量、耐食性、加工性など、多くの優れた特性を持つ金属です。切削加工においても、適切な条件を守れば高精度な加工が可能です。アルミの特性を理解し、用途に合わせた加工を行うことで、様々な製品に活用することができます。